
食通にとって上野はとんかつの聖地ともいわれます。数々の老舗がありますが、なかでもはずせないのが、かつての下谷花柳界にある上野「井泉(いせん)」です。
こちらはお箸で切れるやわらかいとんかつを生みだした名店ですが、実はほかにもおなじみのメニューを作り出したことでも有名です。
そのメニューとは、サンドイッチの定番ともいえるカツサンド。
カツサンドの誕生は今からさかのぼること80年前、当時の女将・石坂登喜子さんによるもの。女将は明治生まれながら、新しいもの好きな両親の影響で、朝食は紅茶とトーストというはいからな生活を送っていたのだとか。
そんな彼女があるときふと思いついたのが、とんかつをパンで挟んだカツサンド。おいなりさんや海苔巻きのように、ひょいとつまめるスナックはお座敷の合間に食事をすましたい芸者さんたちに人気を集めたそうです。
このカツサンド、綺麗に髪を結い上げて着物姿でいただくのが「粋」なのかもしれません。
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